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失われた文字を求めて

中学入試出題率No.1の重松清
ですが絶対に出題されない短編集
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それは是非読んでみないと、と手に取りました

その中の1作「失われた文字を求めて」
での「ぬ」という文字への愛!?

愛用している三省堂の「新明解国語辞典」に、「ぬ」の項目は
なんと4ページしかない
1206ページあるうちの、たったの4ページ。
「し」は130ページ近くあるというのに、あまりにも大きな違いではないか
同じ五十音に含めるのが不条理にさえ感じられる

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「ぬ」をなぜ「ぬ」と書くのか
これを人間が考え出したとはとても思えない

そこに神の意志が働いているとしか思えないではないか

最初の斜めの線の角度と長さからして美しい
つづいて左斜め下に向けて線は延びて
最初の線をわずかに過ぎたところで今度は上にのぼりはじめ、
円弧を描くのか直線になるのか微妙な角度で右斜め上に向かい
今度は角度をすぼめながら急降下して
ああこのまま行くのかと思いきや、
最後にドンデン返しをくらわすようにクルッとちいさな円

この一連の動きは、まさに芸術、
いや、芸術だの美だのといった言葉で語ってしまうのは「ぬ」に失礼ではないか
「ぬ」は、宇宙だ
ここには、確かに、宇宙がある・・・


んだそうで
ただ選んだ文字をここまで表現できるのは
さすが職業ライター!
でもありがとう♪
by merumemo | 2011-04-21 20:44 | 毎日のこと
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